私の誠は…
「私達は貴女の知らない所で幕府に情報を流していた。」
「なんで…長州の見方じゃなかったの!?」
初めて知る事実。紫音が新撰組に行く計画をしていた時にはもう、他の忍は長州を裏切っていた。
「誇り高き忍の一族が易々と長州に利用される訳ないだろ。」
耳元で楓が呟いた。
「でも、貴女が行動を起こした日、村に長州の役人がきたの。ちょうど幕府の忍に情報を渡しているときに。」
「そんな…」
紫音の頬に冷たい涙が伝った。
「だから、貴女は悪くない。紫音は悪くないの。」
「いや、死なないで…」
「紫音を世間に出さないで良かったわ。貴女の存在は長州に知られていない。」
そう言って、母と後ろの忍達は笑った。
そして紫音はその瞳に宿る決意を汲み取った。
「……わかりました。お母様、皆。私は幕府の人間としてしっかりと生きます。」
真っ直ぐ前を向いて紫音は告げた。その黒い瞳に迷いはない。
そんな紫音の姿に母は満足気に微笑んだ。