愛を欲しがる優しい獣

佐藤家四天王なんていつの間に作ったのだろうと思いながら尋ねる。

「じゃあ、最強って誰なんだい」

「あいつだよ」

樹くんが指さしたのはこの場にいる誰でもなく、ダイニングテーブルいる人物だった。

「何だよ」

ふいに話題の中心に上がった櫂くんは俺達に睨みをきかせた。

部活があって遅くなったと、ひとりだけ夕飯を後からとっていたのだった。

正直、櫂くんとはあまり話したことがない。

中学生の櫂くんはサッカーに勤しむスポーツ少年でいつも遅くまで練習しているため、俺とは入れ違いになることが多いのだ。

「櫂、たまには鈴木と一戦交えてやれよ」

「……いいけど」

櫂くんは学生服姿で不適に笑った。なぜだか背筋がゾクッと粟立つ。

(もしかして……。俺って嫌われている?)

< 38 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop