ストーンメルテッド ~失われた力~
サッカーの練習のひと休みしていた頃だった。
ふと、聞きなれたハスキーボイスが隼人の耳に届く。
「隼人」
振り向くと、その先に立ち尽くすのはカゲンだった。
隼人は、グラウンドから少し離れた場所にいるカゲンの元へと走り歩きで進んで行った。
そこへ着くと、カゲンは笑顔で待っていた事が一目で分かった。
「隼人。明日の試合は、悪いが......」
一息ついてから、再びカゲンは口を開く。
「行くことができない。ストーンが、完成したんだよ。隼人、お前のお陰でな」
「......良かったじゃん! あぁ、ちょっと、残念だけど......でも、見守ってはくれるんだっけ?」
笑い混じりに隼人は言う。しかし、同時に涙を隠す様に笑っている様にも見えた。
「当たり前だろ。隼人が頑張る姿も恥ずかしい姿も全部しっかりと見ておくよ」
「それは、こ、困るよ」
隼人は、戸惑って言う。
「だから、遠慮するなよ。じゃあ、これよりストーンを返してもらうよ。いいな?」
隼人は、黙ってただ、深く頷いた。
「目は瞑っておけ」
そう言われるがまま、彼は目を瞑る。
すると、カゲンは大きく男らしい右手を隼人の胸元に伸ばす。
胸の奥深くまで、右腕は入り込んでいった。
そして......ストーンをつかみとった。
カゲンは、ゆっくりと右腕を隼人の胸元から抜き取っていった。
ふと、聞きなれたハスキーボイスが隼人の耳に届く。
「隼人」
振り向くと、その先に立ち尽くすのはカゲンだった。
隼人は、グラウンドから少し離れた場所にいるカゲンの元へと走り歩きで進んで行った。
そこへ着くと、カゲンは笑顔で待っていた事が一目で分かった。
「隼人。明日の試合は、悪いが......」
一息ついてから、再びカゲンは口を開く。
「行くことができない。ストーンが、完成したんだよ。隼人、お前のお陰でな」
「......良かったじゃん! あぁ、ちょっと、残念だけど......でも、見守ってはくれるんだっけ?」
笑い混じりに隼人は言う。しかし、同時に涙を隠す様に笑っている様にも見えた。
「当たり前だろ。隼人が頑張る姿も恥ずかしい姿も全部しっかりと見ておくよ」
「それは、こ、困るよ」
隼人は、戸惑って言う。
「だから、遠慮するなよ。じゃあ、これよりストーンを返してもらうよ。いいな?」
隼人は、黙ってただ、深く頷いた。
「目は瞑っておけ」
そう言われるがまま、彼は目を瞑る。
すると、カゲンは大きく男らしい右手を隼人の胸元に伸ばす。
胸の奥深くまで、右腕は入り込んでいった。
そして......ストーンをつかみとった。
カゲンは、ゆっくりと右腕を隼人の胸元から抜き取っていった。