ストーンメルテッド ~失われた力~
............ピッピッピッピッ
翔の顔は真っ青で、窶れていた。
彼の、弱々しくなった身体は起き上がらる事さえ出来なくなっていた。
病室のドアの開く音が聞こえて、翔は首を傾けた。
「翔。あのね、ストーンが戻ったの......だから」
「も......う。さよなら......なんだ......ね」
掠れた声で、翔は言った。
「そう、そうよ」
ジュノは、そう言うと翔が横たわる病室のベッドに近づいた。
「返してもらうだけだから、いいわね?」
翔は、ゆっくりと頷く。
「......目を瞑って」
静かな声で、ジュノはそう呼び掛けた。
そうすると、翔は目を瞑った。
ジュノは、左手を彼の胸元に向けて伸ばす。
そのまま、胸の奥深くまで腕を入り込ませると......そこにストーンはあった。
そして、慎重にジュノは腕を抜いていく......。