ストーンメルテッド ~失われた力~
異変
理子は今頃、何をしているだろうか。無理して笑ってはいないだろうか。

次に彼女と会う時が最後となるだろう。

俺がいなくなれば、きっと、心に住み着くバイキンは、今より増して、心にぽっかり空いてしまった穴は広がるだろう。

それでも、彼女は前を進み続けられるだろうか。

心配に胸を膨らませ、エンデュはベッドに無表情で横たわり、何の変てつもない天井の壁を見やる。




イヴは、昔、よくエンデュが寒がりの私を心配して私のためにプレゼントをしてくれた暖かい毛布の上で、横たわり、無表情に天井の壁を見やるエンデュをただ、見つめていた。


相変わらずに汝は一人で抱え込む。そのくせ、平気なふりをして、いつも、冷静でいる。

私は心苦しいぞ。汝のその姿を見ているとな。優しすぎる所が汝の傷なのだよ。

思いやりの神とは、やはり、そういうものなのか?


そんな思考が過っていた時である。
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