ストーンメルテッド ~失われた力~
とりあえず、都忘れ学校の玄関に入ると玄関の板の上でずっとうつ向いて座っている暗い雰囲気の男子生徒がいた。
玄関の先の廊下に出ると彼は足を止めた。
「そこで何をやってるんだ?」
「......座ってるだけだよ」
そう言いながら彼は、カゲンの方に顔を向
けた。
カゲンは踵を返して彼の方を振り向いた。
男子生徒は、イケメンとは言い難いが整った顔立ちをしていた。
ゆっくり彼の隣に同じように座る。
「............って、そんなことは見たらわか
るだろ。 ただ、悩んでる様に見えたから」
「俺のことより、自分の心配した方がいいよ? お兄さん、強そうなのに何かが欠けてる。元気がないしね」
嫌味のような言い方で言った。
「何?!」
彼はつい、カッとなった。
「見ればわかるよ」
それを言われると、すっと力が抜けた。
そして、ため息をつく。
「やっぱり俺は、本当に力が......」
「力って?」
「お前には関係ないことだ」
そう言うと鼻を触った。
「......嘘ついてるだろ。俺は心理学に詳しいんだ。そうやって鼻を触ってくれると嘘か本当かがすぐにわかる」
ずっと鼻を触っていた手にカゲンは言わ
れてからようやく気が付き、離した。
「何か用があって来たんだろ?」
............トントントン
2人の後ろ側の方から、足音が聞こえてき
た。
「 黒川 隼人! こんな所にいたのね」
二人は後ろに振り向いた。
「......やばい、佐藤先生だ」
「なら、行けばいいだろ」
「早くしなさい!!」
佐藤先生は、こちらへ勢いよく歩いて来る。
カゲンは隼人に接近して彼の耳元でつぶや
いた。
「いいか? 隼人。 昼休みになったら屋上で
話の続きをしよう」
先生は 抵抗する直人の腕をつかみ連れてい
こうとしている。
「わ、分かった」
隼人は先生に腕を掴まれた状態で教室へと向かって行った。
玄関の先の廊下に出ると彼は足を止めた。
「そこで何をやってるんだ?」
「......座ってるだけだよ」
そう言いながら彼は、カゲンの方に顔を向
けた。
カゲンは踵を返して彼の方を振り向いた。
男子生徒は、イケメンとは言い難いが整った顔立ちをしていた。
ゆっくり彼の隣に同じように座る。
「............って、そんなことは見たらわか
るだろ。 ただ、悩んでる様に見えたから」
「俺のことより、自分の心配した方がいいよ? お兄さん、強そうなのに何かが欠けてる。元気がないしね」
嫌味のような言い方で言った。
「何?!」
彼はつい、カッとなった。
「見ればわかるよ」
それを言われると、すっと力が抜けた。
そして、ため息をつく。
「やっぱり俺は、本当に力が......」
「力って?」
「お前には関係ないことだ」
そう言うと鼻を触った。
「......嘘ついてるだろ。俺は心理学に詳しいんだ。そうやって鼻を触ってくれると嘘か本当かがすぐにわかる」
ずっと鼻を触っていた手にカゲンは言わ
れてからようやく気が付き、離した。
「何か用があって来たんだろ?」
............トントントン
2人の後ろ側の方から、足音が聞こえてき
た。
「 黒川 隼人! こんな所にいたのね」
二人は後ろに振り向いた。
「......やばい、佐藤先生だ」
「なら、行けばいいだろ」
「早くしなさい!!」
佐藤先生は、こちらへ勢いよく歩いて来る。
カゲンは隼人に接近して彼の耳元でつぶや
いた。
「いいか? 隼人。 昼休みになったら屋上で
話の続きをしよう」
先生は 抵抗する直人の腕をつかみ連れてい
こうとしている。
「わ、分かった」
隼人は先生に腕を掴まれた状態で教室へと向かって行った。