ストーンメルテッド ~失われた力~
 相変わらず、轟音過ぎるチャイムの音は、鳴り響いた。
 この度、隼人は耳を塞ぎ込む。いい加減にしてくれと、胸の中で呟き、歴史の教科書を使い古した雑巾のように薄汚い机の中にしまい込んだ。

教室で浮いている隼人は友達が少ない。
お陰で直ぐに屋上へ行けると思っていたのだが......。

「ねぇ、隼人君っだっけ?」

振り向くと、それはくるみだった。
別に美人ではないが悪い子ではない。

「だっけ......って」

「あ、ごめんね。今日、私他に食べる人いないから一緒にどう?」

要するに、俺は昼食を食べる人がいない時の最終手段って訳かよ......ふと、そう思う。

「............あ、あぁ」



二人は、食べながら会話をする。

いや、くるみがペラペラ喋っているだけだ。

「......でねでね、美代子がさぁ」

「............ごめん、くるみ。もう行かなくちゃ」

そう言うとすぐさま片付け始めた。

「えー......」

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