女は強か者、そして秘めるモノ



予想よりも大きな台風が進路を大きく変えてノアに一直線に向かってきていた

台風が発生している事は知っていたものの、進路から外れていたので完全に油断していた

とはいえ、備蓄もある。窓や戸の補強さえすれば問題なくやり過ごせそうだ

風と雨は相変わらずだけどもう大丈夫と皆が安堵のため息を吐いた

遠くの空でコロコロと雷が騒いでいるのが分かる

「いい加減離れてくれないか?」

「えっ?あっ!ゴメンなさい。私カミナリが苦手でして」

迷惑そうなセトの声がする、その声に応えたのは、マリン

ユイリーは外回りを見て来てくれたウィルに乾いたタオルを渡して、それから二人の方に寄っていった

雨に打たれながらノアの台風対策をしてきたばかりのセトは頭からびしょ濡れ

マリンは部屋に入ってきたセトにお構いなしに抱き着いたのか?それとも作業中からしがみついていたのか?、、、判断はつかなかった

「この無邪気女!邪魔だろーが!」

眉間に皺を寄せた怖い顔のセトはよっぽど作業しにくかったのか、、、、振り解こうと彼女の二の腕を掴む

「駄目です、私を離さないで!」

聞いた事がある台詞、、、まるで昔の自分を見ているみたい、、、

固まったユイリーとマリンの細い二の腕を掴んだままのセトの目が合った

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