女は強か者、そして秘めるモノ


慌てて目を逸らすユイリーはマリンの背中をさすりながら声をかける

『私もカミナリ苦手なの!昔、私もセトを困らせた事があるんだよ』

ユイリーは懐かしげに笑いながら窓の外を覗く

打ち付ける雨は暫く止みそうにない勢い

波も荒く目の前の海は大きく波打つ

「う・・・おぇ~何か怖すぎて気持ちワル~ですぅ~」

『え?気分悪いの?』

「お前・・・間違っても吐き上げるなよ」

「んじゃ・・・お願いがあります・・・」

嫌な予感がしたのか物凄く迷惑そうな顔をするセト、出来たら続きを聞きたくなさそうだ

聞いてしまえば言う事を聞かなきゃいけなくなるからだ

察したユイリーが代わりに声をかける

『なぁに?』

「抱っこかおんぶ。して下さい」

誰かに抱き上げて貰うのは気持ち良くて好きだから気持ち悪いの無くなりますから

とか、言いながら両手を広げた

明らかにセトに抱っこを要求している

「お前ふざけんな!寝りゃ良いだろうが!」

『そ・そうだよ?体を出来るだけ床につけた方が良いって言うよ?横になろうね?』

「う・・・ぅおぇ・・・」

「このバカ!くそッ・・・」

軽い舌打ちと同時。軽々と横抱きにした

「吐かれると面倒だからな」

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