夫婦橋〜鈴RINと響いたその瞬間TOKIに
(さっき…手を繋いだ時
秀也くん…
私の手よりより
大きかったなぁ…。)
蓮音は自分の手と
前を歩く秀也の手を見比べて
また歩いた。
その時だった。
(!??)
いきなり
秀也が向きを変えた為
俯きながら歩いていた蓮音は
秀也の胸に思い切り
鼻をぶつける形に
なってしまった。
「あっ。あの…
ごめんなさい。私…。」
秀也を見上げた。
波の音が鼓動のように
一定の間隔で聞こえてくる。
幼い頃兄とふたりで
この海岸の砂浜で拾った
貝殻を持ち帰り
耳に当てては
それが本当の波の音のように
聞こえていた。
潮風がフェリーのエンジン音と
匂いと共に
静かにふたりの間を
通り抜けていく。
つい数時間前、
駅の改札口で
ハイテンション気味に
はしゃいでいた人物とは
思えない程落ち着いた面持ちで
秀也が言った。
「蓮音ちゃん…。」