夫婦橋〜鈴RINと響いたその瞬間TOKIに

対岸の房総半島の灯りが
揺らいでいる。


蓮音は大きく瞳を
見開き無言のまま
次の言葉を待っていた。


「あの…
また…会ってほしいんだ。
少しずつでいいから
俺のこと知ってほしい。」

真剣な瞳と
心を込めた強い口調だった。


蓮音は
哀しい面持ちで応えた。


「秀也くんありがとう。

でもね…私、
高校生の時から
付き合ってる人がいるの。」


澄んだ冬空の月が蒼白い。
月の光が
海面を照らし
波に揺れて
キラキラと輝いている。


「うん…
千尋ちゃんから聞いていた。

だけど俺…
蓮音ちゃんと話したくて、
今日こうして会えて
もっと蓮音ちゃんの
そばにいたいって
思ったんだ。

蓮音ちゃん…
その…彼といて
蓮音ちゃんは幸せなの?」

蓮音は秀也の瞳を見つめた。
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