夫婦橋〜鈴RINと響いたその瞬間TOKIに

「蓮音ちゃん!?

ごめん。
俺がしつこいこと言って
困ってしまったんだね?

もういいんだ。
泣かないでほしい。

本当にごめんな。」

一瞬
秀也の瞳が
哀しみの色に変わって
それでもすぐに笑顔になって
ポンポンと蓮音の頭を撫でた。


(違う…違うの。)


「秀也くん…

あのね…私の彼は…
陽介は…
受験勉強が大変で
時々会ってくれるんだけど
その度に
私を蹴ったり殴ったりするの。
私が気遣い出来ないから
怒らせちゃうみたいで…。」

再び涙が
蓮音の頬を伝って
砂浜に染み込んでいった。

「蓮音ちゃん…
話してくれないか?」

秀也は蓮音を心配そうに
覗きこんで砂浜に座った。
蓮音も頷いて隣に座った。

蓮音は苦しかった。
陽介に殴られて
それでも愛されていると
信じている…

誰にも
打ち明けられない苦しみを
もうこうして
会うこともない
秀也だからこそ
話そうと心決めた。


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