夫婦橋〜鈴RINと響いたその瞬間TOKIに

「寒かったね。
長く話してごめんな。

今日こうして会えて
本当によかった!」

秀也が微笑んだ。

その微笑みを見て
蓮音はたまらなく
胸がしめつけられるような
思いがした。


『夫婦橋』に着くと
秀也は蓮音の鞄を渡した。

「ありがとう、秀也くん。
私の鞄持ってくれて。」


「いや、軽い軽い。

演習の時は
機材抱えながら
山道歩いたり半端ないからね。

…っと今日はありがとう。
俺…

蓮音ちゃんが
幸せになれるように
見守ってるから!

本当だからね!

ずっと応援して
見守ってるから!」


「ありがとう。」

鞄を受け取りながら
応えた。


夫婦橋の
真ん中を通る車道を挟み
ふたりは向かい合い
手をふりあった。


「またね〜!蓮音ちゃん!」
大袈裟に手をふる
秀也を見て
蓮音は笑顔で手をふり返した。


(洋介と幸せになる為に
気持ち伝えなきゃ。

怖がって避けても
何も変わらないんだから。)


蓮音は
電柱にぶつからないように
歩いた。

ふと…
夫婦橋を振り返ると…

秀也が手を上げた。

〈蓮音ちゃん…。
俺がいつだって守り抜くよ!
幸せになれるように…。〉
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