声をくれた君に


休み時間、悠梓くんと黒板を消し終わり席に戻ると、あることに気づいた。

(小田さん…ひとりだ)

小田さんのまわりには、いつもたくさんの女子がいた。

男子と話しているところもよく見たことがある。

そんな彼女のまわりに、今は誰もいない。

(まあ、そんな休み時間もあるよね)

そのとき、私はあまり気に留めなかった。

だが、何日か過ごして気づいた。

(小田さん、最近誰とも話してない…

それに、誰も小田さんに話しかけない…)

私は帰り道、悠梓くんに聞いてみることにした。

「ねえ、悠梓くん」

「どうした?」

「最近小田さん、ずっとひとりでいない?」

「あんたも同じこと考えてたのか」

「ていうことは悠梓くんも?」

「ああ、ちょっと気になってた」

その日の帰り道は小田さんの話で持ちきりになった。

「小田さんって、クラスの人気者で、中心人物って感じだよね」

「そうだな。

まあ、お前のイジメに対する中心人物だったってのもあるけど」

「あ、なるほど…」

ちょっとだけ、複雑は気持ちになった。

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