声をくれた君に
「悠梓くん…?」
「あんたは、あんたってやつは…
俺の想像をすぐに超えていくんだな」
私は悠梓くんの言葉の意味が飲み込めず、首をかしげた。
「なんであんたをイジメたやつをのために、そんな風に怒れるんだ
なんでそんな悲しい顔ができるんだ…
やっぱすげーやつだ、あんた。
強くて優しい…本当にいい女だ」
彼は私を愛おしげに見つめた。
「そんなの…悠梓くんが優しいからだよ」
もし私が優しい人間だとしたら
それは、悠梓くんが私に優しさをわけてくれたから。
「俺は優しくなんかない…」
「だって私をたくさん助けてくれた」
「それはあんただから
あんたが、珠李が、好きだから」
悠梓くんの大きな手が、私の頬に触れる。
私は悠梓くんをじっと見つめた。
「ば、ばか
こういうときは察して目閉じろよ」
「え、ええっ!」
(つまり…キスされる…?)
「目閉じろって言われて閉じるのは、なんか恥ずかしいよ…」
そう言いつつも私はきゅっと目を閉じた。
「あんたが恥ずかしがって目を閉じてる方が、俺は好きだけど」
(き、鬼畜…!
さっきまで照れてたくせに)
私は恥ずかしさに耐えきれず、目を開けた。
その瞬間に触れ合う唇。
(わ…こっちの方がよっぽど恥ずかしかった…)
私は悠梓くんの顔を間近で見ていられなくて、もう一度目をきゅっと閉じた。
(でも、幸せ…)