声をくれた君に


次の日、学校に行くと、やっぱり小田さんはひとりだった。

その隣でクラスの人たちに囲まれる私。

「ねえ、サクちゃん!

放課後っていっつも何してるの?」

「やっぱり佐野くんとデート?」

「いいなー」

「ただ一緒に帰ってるだけだよ、ははっ」

(みんなに仲良くしてもらえるのは嬉しい。

でも私と引き換えに小田さんを仲間はずれにするなんて、やっぱりだめだよ…)

私はちらりと小田さんの方を見た。

(あ、目が合った…)

けど、すぐに逸らされた。

「サクちゃん、どこ見てるの?」

「小田さんのこと?」

「え…」

(みんな、なんて言うかな)

「ヒドイよね、サクちゃんにあんなことするなんて」

「そうそう、いっつも言い出しっぺでさー」

「やりすぎだと思ってたんだよね。

髪の毛だって切られちゃって…」

そう私に言うのは、いつも小田さんと一緒にいた女子たちだ。

(なんで、なんでそんなこと言えるの?

だってついこの前まで一緒にいたじゃん。

楽しそうに話してたじゃん。

そんな人の悪口をこんな簡単に

しかもこんな近くにいるのに

わざとなの?聞こえるように?

何にしたって、こんなのだめだよ…)

「ねえ!」

私はガタンと席を立ち上がった。

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