声をくれた君に
「私には声がある。
だから間違ってるって思ったことはちゃんと言いたい。
誰かが傷ついてるって思ったら助けたい」
「そんなの偽善者だよ」
(ああ、もう、どうしよう…
ケンカしたいわけじゃないのに…
どうやったらわかってもらえるの?
私、結局何が伝えたかったの?
でも、ひとつだけわかってる)
「そうだとしても
絶対こんなのおかしいよ…
誰かひとり標的にしなきゃいけないなんてルール、どこにもない…」
「もう、うるさい!黙っててよ!」
私の言葉を遮ってそう言ったのは小田さんだった。
「小田さん…?」
「さっきから聞いてれば一体なんなの?
なんであんたになんかかばわれなきゃいけないの?」
そんな小田さんを見て女子たちが口を開いた。
「ほら、せっかくかばったのに文句言われちゃうんだよ?」
「小田さんはそういう人なんだよ?」
(それでも、そうだとしても…)
「私は小田さんだからかばってるわけじゃない。
どんな人だって、傷ついてる人がいるなら助けたい」
(お母さんを傷つけた声なら
今度はこの声で、誰かを守りたい。
それに、それに小田さんは
悠梓くんのことが好きで…
だから間違えたんだもん)
「守るとか、キモいから。
あんたに守られる筋合いなんてないよ
あんたは私の敵なんだから」
「私は小田さんを敵だなんて思わないよ…ね?」
私は小田さんにニッと笑ってみせた。
でも
「…ふざけないでよ」
小田さんはそのまま教室を出て行った。