声をくれた君に


「ただいまー」

「おじゃまします」

私たちは誰もいないはずの家に入ったのだが…

「おかえりー」

「「…えっ?!」」

その声に、ふたりして固まった。

「お、お父さんいるじゃねーかよ」

「私も知らなかったよ!」

私たちは玄関でコソコソ話していた。

「珠李ー、帰ってきたんじゃないのか?」

そのままお父さんは玄関まできてしまった。

「おお、佐野くんか」

「…どうも、お久しぶりです」

「遊びにきてくれたのか?」

「あ、はい、突然すみません…」

「いやいや、いつでもいいってこの前言っただろ?

そんなとこに突っ立ってないで、珠李も早く入れてあげればいいのに」

「あ、そうだね!」

(あれ、意外と普通だ!)

私たちは安心して家の奥に進んだ。

「じゃあ今日は私の部屋行こっか!」

「ああ、そうする」

私たちは2階の私の部屋に移動した。

「あー、びっくりした!

なんでお父さんおうちにいるんだろう…」

「ほんとによかったのか?

お父さんもいるのに」

「もちろん!

でも悠梓くんこそ、お父さんがいたらリラックスできないよね、ごめん…」

「そんなことない」

「お父さんのことは全然気にしないで、くつろいでていいからね」

「サンキュ」

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