声をくれた君に
悠梓くんとそんなことを話していると、部屋にお父さんが入ってきた。
「ジュースとお菓子持ってきたから」
「ありがとう、お父さん。
で、でも、あんまり入ってきちゃだめだからね!」
「ははっ、大丈夫、もう入らないから。
そういえば佐野くん」
「は、はい」
佐野くんは背筋を伸ばして身構えた。
(わ、すごい緊張してる。
可愛い…
とか言ったら絶対怒られる…!)
「君、どこかで見たような…」
「え…」
(ど、どういう知り合い…?)
「確か…」
「すみません、珠李さんには内緒にしてもらってていいですか?」
「え、珠李は覚えてないのか?」
「そうみたいなんです」
「薄情なやつだなー。
じゃあゆっくりして行ってくれ、佐野くん」
「ありがとうございます」
お父さんは私の部屋を出ていった。
「今の話はどういう…」
「ナイショ」
「で、でも覚えてないってことは
さっき帰り道に話してたことだよね?
お父さんも知ってることなの?
私、何を忘れてるの?!」
「質問攻めだな」
悠梓くんは苦笑した。