声をくれた君に


引越し先のマンションに到着し、私たちはそれぞれの部屋に向かった。

部屋に入って、すぐにキャリーケースを開けた。

(ちょっと休憩したいところだけど…

私の場合、ちょっとどころじゃ済まなさそうだし)

私はキャリーケースの中身を片付けることにした。

(服はクローゼットの中に入れて…

これは洗面所に持って行かなきゃね)

中身を順番に出していくと

中から入れた覚えのない、白い便箋が出てきた。

表に書かれているのは

”珠李へ”

(これ…

お母さんの字だ)

便箋を裏返すと、付箋が貼ってあった。

”お母さんから預かっていました。
珠李が大人になったら渡すように言われていたので、中に入れておきます。”

(こっちは、お父さんの字…)

私は便箋を開けて、手紙を読むことにした。

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