声をくれた君に


新幹線に乗り込むと、

悠梓くんは窓の外を見ているようで、何も見ていないようで

どこかぼーっとしていた。

「…悠梓くん?」

「意外と、くるもんだな」

「え…?」

「俺、思ってたより親とか兄貴に依存してたみたいだ。

結構、寂しい…」

泣きそうで、それでも堪えている

そんな表情をしていた。

「そんなの、当たり前だよ。

寂しいに決まってる。

ずっと大事に思ってきた人と離れ離れになるんだもん…

私だって、寂しい」

「そのわりには、元気そうだな」

「え?」

「あんたのことだから

びーびー泣きじゃくってるのかと思った」

「もう泣いた!

だからもう泣かない。

強くなるって決めたから。

私はもう泣いたりしない」

「そうか。

やっぱりあんたは強いな」

悠梓くんは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「もう、そういうことされると泣きたくなっちゃうんだけどなー」

「俺も、あんたにそういう顔されると、泣きたくなるんだ」

それでもお互い、絶対泣いたりしなかった。

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