無口なカレとの甘い恋
「よーく考えてみて?ちゃんと周りに目を向ければきっと気付くはずだから。ねっ?」
「あたしが……誰かを傷つけてる……?」
「ごめん。何か言い方が悪かったかも。あたしの私情挟んでたから。まぁ、そんなに深刻に考えないでよ」
アカネはポンポンとあたしの肩を叩いて自分の席に戻って行った。
アカネは……何を伝えようと思っていたんだろう。
あたしが……誰かを傷付けてる?
一体、誰を……?
アカネの言っていた私情って……何だろう?
むしろ、私情ってどういう意味……!?
その意味さえも分からずに頭の中をぐるぐるとまわる疑問。
あたしの頭はすぐにオーバーヒートを起こし、授業の内容なんてほとんど頭に入ってこなかった。