無口なカレとの甘い恋
「あたし、別に美女じゃないよ」
「まったく。アンタって、謙虚っていうか天然っていうかバカっていうか……いや、違うな。大バカだわ」
「ちょっ、それ海星君にも言われた!!」
「やっぱりね。まぁ、それが姫子のいいところじゃない?」
「うーーーん……。それは、褒められてるのかけなされてるのか、どっち?」
「まぁ、自分で考えなさい。それとね、一つだけおバカさんな姫子に忠告しといてあげる」
「忠告……?」
「そう。姫子のことだからわざとじゃないって分かってるけど……。アンタが無邪気な顔して海星君ののろけ話をすることで傷ついている人がいると思う」
「え……?」
傷付いている人ってどういう意味……?
アカネの言葉と同時に授業の始まりを告げるチャイムが鳴りだした。