。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



大人軍団の車が勢ぞろいの中、その中でタイガの車も見つけてあたしは話題を変えるようにヤツの車を指さし。


「あ、あれタイガの車だ!あいつ、まだ居たんかよ!」


あたしはグレーメタリックのヴァンガードを指さし。


照明が乏しい地下だろうか、その色はいつもより濃い黒に見えた。


「ほんまか!?」


戒がまたも真剣に聞いてきて、


「ナンバーとか聞かれたら自信ないけど……でもほら!間違いないと思うぜ?」


あたしはリアガラスの内側に並べられたオオカミと、ウサギとヒツジとヒヨコのぬいぐるみを指さし


「間違いないですね」


とキョウスケはガクリ。


タイガのヴァンガードはドクターの白いベンツと並行して四台を挟んだ場所に停められていた。


「一応撮っておきますか」


キョウスケはまたもその光景をパシャリ。


その写真を何の操作か分かんないけれどキョウスケは指でサクサクタップしていって、やがて白黒の平面図になった。挟まれた四台も消去していって……


てかそんなこともできるんだな!すげぇぞキョウスケ♪


「サーモグラフィに掛けます。武器なんかの所有がないかどうか調べましょう」


ほ~


ハイテクなんだなぁ。


感心しながら画面を覗き込んでいると



その白黒の平面図は余分な車を削除されていって、やがて白と黒二台の車だけに残った。


縦横に走る白い線はきっと距離を測っているのだろう。


なんか…






「こうやって見るとさー…チェス盤のチェスみてぇじゃね?タイガが黒でドクターが白」












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