。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
そのままお姫様抱っこをされてあたしは目をまばたいた。
でも―――
迷ってる暇はない。
あたしは言われた通り、思いっきり脚を振りあげ、響輔がその場で素早く方向転換。
するとあたしのヒールが背後の男、前方のナイフを握った男の顎にそれぞれヒットして男たちはその場でひっくり返った。
やった…??
あたしを抱き上げたまま、響輔はにやり。
「10㎝ピンヒールの威力、舐めんなや」
響輔――――……
かっこいいし!!
ヤダ。いちいちキュンと来るのを止められない。
響輔はそっとあたしを下ろすと、「キーを」とせっかちに手を差し出し、あたしは言われた通り車のキーを慌てて取り出した。
「長居は無用や。逃げるで」
「逃げるって……え!?通報は……!?」
「通報したらあんたが狙われた理由根ほり葉ほり聞かれるやろ。
襲われかけた言うても、どう見ても過剰防衛や。
10月にデビュー控えてンやろ?ここで週刊誌のお世話になるほどけったいな結末あらへんで」
「そ、それもそうね!」
あたしは響輔の説明に頷き、もうあたしの車の運転席に回り込んでいる響輔にキーを投げた。
響輔はそれを空中でキャッチして
「ほな、お嬢はん。ドライブに行こか」
と、またもニヤリと笑った。