。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「おめぇ、まさか例の取り引きに応じたわけじゃねぇだろうな」
戒がキョウスケに凄んで
「取り引き?って………ああ、違いますよ。そんなんじゃない。
俺だってフリーだし、人肌が恋しくなっただけです」
人肌………
響輔は―――寂しかったってこと……?
「人肌って……!!お前まさかもうヤったんか!?」
「まさか…。だって今日決めたんですよ……まだ…
てか、お嬢が居らっしゃるのにこうゆう話は…」
キョウスケがあたしの方を気にしたようにちょっと声を潜めた。
もういいよ。
聞きたくないよ、そんな話。
あたしは、ぐいっと戒の袖を引っ張ると
「行こっ」
短く言って戒を連れ、一階に降りようとしたときだった。
「おめぇ、朔羅のことは――――……
諦めんのかよ!」
戒があたしに引っ張られながらも、キョウスケの方を向いて怒鳴り声を挙げる。
取り繕ったメガネの声じゃなく、それは戒の素の声で……
良くも悪くも、良く透る怒声に―――他の部屋から組員が何事か顏を出す。
「どうされやした、お嬢!」
「何でもねぇよ!!」
あたしは組員に一瞥し、
「とにかく戒っ!おめぇは来いっ」
戒を強引に引っ張っていき、一瞬だけ見えた―――キョウスケの悲しそうな苦しそうな切なげな表情を見て
何だか泣きそうになった。
本当に申し訳ないことだけど、リコのことを考えたわけじゃない。
キョウスケとほんの一瞬
シンクロした気がしたから―――