。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



思わぬ助っ人で、俺は助かったっちゃ、助かったが……


「おまっっ!!!


何で居るん!?


てか、その登場の仕方怖いわ!」


女は10㎝以上もあるピンヒールなのに、きちんと床に着地した。その女に怒鳴ると、顎のラインで揃えふわりとしたパーマが掛かった髪をちょっと整える仕草をして、


「パンツ見えた?」


と、今更ながら腰を折り黒いタイトスカートの裾を気にする。


「見えてへんわ!てか気にするとこそこなん!てか、お前のパンツ見たかて欲情せぇへんわ!」


と言うと


「なん~、失礼なガキやなぁ。昔っから変わらへん」


と言い合いしていると、


カラッ


突如『処置室』の引き戸が開き、


「戒さん?何や外が騒がしいんやけど…」と今更ながら騒ぎに気づいた響輔が迷惑そうに顔を出し


「響輔!♪」女は嬉しそうに響輔に飛びつき





「こ……心先生!!?」





響輔がびっくりしたように目を開いて、俺と……対馬兄妹の妹


対馬 心(つしまこころ)を見比べて


「響輔~♪会いたかったわぁ。


あんなぁ、うち男に襲われてん。怖くて怖くてな~」と、しなをつくって響輔に寄りかかっているが


「男…?」響輔が廊下を目配せ。


嘘着け。


その襲われた男に蹴りを食らわし、ついでにノックダウンさせた女がよく言うわ!


と思ってタイガの方を振り返ったが


タイガが倒れたであろう場所に



あいつの姿は




なかった。





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