。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。

*戒Side*




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** 戒Side **


『変な医者が居たんだけど!!!!


お前のお仲間か!!!』


朔羅の第一声は、まるで地響きのようにケータイをビリビリ震えさせた。


俺の両隣でぴったりケータイに耳を寄せ会話に聞き耳を立てていた響輔も心も、その声に耳を押さえ顔をしかめる。


龍崎 琢磨といい勝負だぜ。


ホント、親族なだけある。


今は『処置室』から離れた外の喫煙ブースに居る。この時間帯、喫煙する輩が居なくて助かった。


「あー……そいつな?あいつは大丈夫、危険なヤツじゃないから」


と説明するも


『危険もくそもあるか!!あたしゃ危うく4階から落ちるところだったんだぜ!』


落ちる?


速人のヤツ一体何したんだよ。


『しかもその偽医者、何か変な検査していったし!血まで抜かれたんだぜ!』


と、朔羅の喚き声はケータイに耳を寄せなくても聞き取れるものだった。


俺は目を吊り上げて、心を睨んだ。


お・前・が!


普通に登場すると怪しまれるって言ったけど、充分怪しまれてるじゃねぇか!!


俺の無言の圧力に心が目を逸らし髪の先をいじりながら口を尖らせている。


「大丈夫、あいつは偽医者じゃなくて、ちゃんと医師免許持っとるし」


『そう言う問題かよ!お前のお仲間が来るなら来るってちゃんと言えよ!


心の準備とかあるだるぉうが!!


てか、また白虎かよ!!お前ら何匹いるんだよ!!』


「はい、ごめんなさい」


俺は朔羅の剣幕に何も言えず、素直に頭を下げた。


電話で尚も喚いていた朔羅だが、それを遮って


「お前、今まだ病院?」と朔羅に聞くと


『おうよ。今は女子トイレで電話してる。すぐ近くにマサが居るからな』


女子トイレ…?その声で喚いてたら声は駄々漏れじゃ……と思ったが


マサさんが付いてるなら好都合だ。




「いいか、今すぐ病院を離れろ。絶対マサさんと二人で帰れ」




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