。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



俺の真剣な言葉に


『は…?お前こそ今どこに居んの?』


と問われ


「俺もまだ御園医院。響輔も一緒だ。確かめたいことがあるから、悪いけど先帰っててくれ」と言うと


『キョウスケも?またあたしは仲間はずれかよ!』


「違うって。ちょっと事情があって……」




イチが自殺未遂を図った―――とは流石に言えなかった。




『事情……?何だよ、そのじじょーってのは』


案の定、朔羅が勘ぐる。


「のっぴきならない(※)事情だ。口では説明できないから」と言うと


『のっぴき……のっぴきって…』朔羅は言葉の意味が分からないのだろうか、口の中で唱え


「とにかく、マサさんと帰れよ。あと、家に帰り着いたら電話くれ」


とだけ言ってまだ『のっぴき……』と繰り返していた朔羅との通話を強引に切った。


(※のっぴきならないとは、避けることも退くこともできないと言う意味です←バカな朔羅ですね~)


「あんたの朔羅ちゃん、可愛え声やね♪」と心がわくわくしたように言って


「声だけですね、内容は全然可愛くない」と隣から響輔。


響輔に激しく同意。


「―――…で?お嬢を早く帰したい理由は


ここがシロかクロかまだはっきりしない場所だから、と言うワケだけじゃなさそうですけど?


そもそもお嬢と戒さんは何でここへ?」


響輔に聞かれ、俺は額に手を当てた。





ことの全容を話すと、嵐の第二破は避けられねぇ。




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