。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
俺はかくかくしかじか、朔羅とMIRACLEランドのミラーハウスに入って、そこでスネークらしき男と遭遇したこと、朔羅がそこで怪我を負ったことを話した。
「スネークと?」
響輔が目を開き
「神出鬼没なやっちゃで。ご丁寧に“それ”と分かるかっこで現れやがった」
「つまり…」
「たぶんお前が目撃した“金髪の男”だ」
響輔の方を横目でちらりと見ると、響輔は額に手を当て深いため息をついた。
「……でも、それだけなら“ここ”から今すぐ脱出しろ、との説明になってません。
確かに危険な場所ではありますが、それでもまだグレーに近い場所であって、戒さんの言葉はまるで確信に触れた物言いですね」
う゛!!
鋭いなぁ、響ちゃんは……
――――
――
「はぁ!?タイガさんと遭遇して、
しかも“カズノリくんの名前を出した”!?」
来た!!第二破!
「あなたって人は……次から次へと、また勝手なことを!」
響輔が目を吊り上げる。
「まぁまぁ、そぉ怒らんとき響輔。戒やって考えがあって言うんたんやろ」
と、珍しく心が俺の味方してくれる。
「心ねーちゃん…」と俺は心を楯に、さっと心の背後に隠れた。
「その考え、って言うのを聞かせてもらえますか」
と響輔が心の向こう側で凄んできて
『返答しだいでは許さへんで!いてまうぞ!こんクソがきゃぁ!!』
と声が物語っていた。
響ちゃん…怖いぃ。と俺は心の白衣をきゅっと握って
「ちょーーーーーーーーーっとばかり挑発しただけや。
あいつ、妙に堂々としてたからムカついてん。俺らがミラーハウスに居るときのアリバイも嘘っぽかったし」
「そんな理由で……」
くらっ
響輔が眩暈を起こしたように壁に寄りかかり、
「あんま戒を責めんといてあげて」心が苦笑い。
心!!
いっつもワケ分からんし、いつまでもガキ扱いしてくるし、ほんまはちょっと嫌いやったけど、今日はめっちゃ頼りになる!!
次の言葉を言うまでは。
「せやかてあの男、相当強いで。
“この”戒でさえ手こずってたからなぁ」