。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
それでもやっぱりあたしたちの関係が何てくくられるのか問われたら
龍崎くんは“友達”だよ。
「で?どうよ。最近」
龍崎くんは記事を眺めながら、さらりと聞いてきた。
「どうって?」
「決まってンだろ?響輔との関係だよ。進展したか?」
「進展したか…って。たった二日間で何か変わるわけないでしょ?」
誰もかれも揃って進展したか?って(怒)
あたしがちょっと睨んでカルピスソーダをぐいと飲んだ。
「そっちこそどうなのよ。手の早い龍崎くんのことだから朔羅とそうなったの?」
いつも言われっぱなしはイヤだからたまにはこっちから言ってやると
龍崎くんはうっすらと寂しそうに―――笑った。
さっきまでのからかうような笑顔じゃない。
本当に切なそうに―――寂しく。
「言っとくが、朔羅とは別れてないぜ?俺らラブラブ」
あそ
「けどさ―――たった二日間でも……いや一晩でも?
激変することってあるもんだな」
龍崎くんは
ぐしゃり
と、音を立てて記事のコピーを握ると、宙を睨んだ。
あたしが見たこともない―――
ううん…それは二日前電話で怒鳴っていたときのあの目で
あたしの背中に薄ら寒い何かが走った。