。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「龍崎くん………」
一体何が―――
と聞きたかったけれど
「龍崎く~ん♪♪」
と、またもお母さんがにこにこしながら予告もなしに部屋に入ってきて、
「鰻好き?お父さんに内緒でお夕飯にうな重を取ろうと思うんだけど」
お母さんの提案に
「鰻!★めっちゃ好きです♥」
龍崎くんはさっきまで険しかった表情をキラキラの笑顔に変えて……今にも涎を垂らしそうな勢い。
龍崎くん……↓↓
――――
――
結局ことの真意は聞けないまま、龍崎くんは記事のコピーを読み漁りながら、あたしをからかい
あたしはそれに怒ったり笑ったりの反応を繰り返し
しっかりとうな重を(あたしの分の半分も)平らげて、夜も8時を過ぎると
帰って行こうとした。
手には記事のコピーが握られていて
「んじゃな、川上。今日はサンキュー★な」
とご機嫌に手をふりふり。
結局最後の最後まで朔羅と何があったのか分からなかった。
けど
龍崎くんが言う通り、知らない方がいいことも
きっと存在するんだよね。