。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。



あたしでもびっくりしちまうような怒声に待ちゆく人々はさらに足を止め、それでも尋常じゃない叔父貴の怒鳴り声に、関わりたくないと思う気持ちが大きいのか


慌てて素知らぬふりで前を向き歩き出す。


「お、叔父貴落ち着いて!あんまり大声出すと通報されちまう…」


と、今度は叔父貴を宥める番。


千里は腕を捻りあげられたことよりも、怒鳴られたことにびっくりして目をまばたく。


「女に暴力をふるう男はクズ野郎だ。


たとえ家族でもな」


叔父貴の考えは正しいと思うよ。


でも


叔父貴は鋭い眼孔を千里に向け、睨まれた千里はただただ肩を居竦めた。


それでも千里は気丈にも叔父貴をキっと睨み上げ、


「じゃぁあんたがやってることは……クズのやってることじゃないのかよ」


と低く唸った。


そ、そーだよ……今回ばかりは千里が正しい。いくら叔父貴が怖かろうとそこは反論……


「あ゛?」


またも仁王様に睨まれて、やっぱ


怖っっ!!


「……千里、勘違いしてるわ。龍崎さんは私の買い物の付き合いをしてくれるだけなんだから」


いつも明るいおばちゃんが困ったように声のトーンを落とし、小さくため息。


「‟デート”なんて言葉を使った私がすべて悪かったわ。


まさか本気にするなんてね」


え……



え!?




デートじゃない!!!?








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