。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「そう言うことだ、クソガキ。分かったか」
叔父貴がドスを含ませてコーヒーを一口。
「はい…すみませんでした…」
千里は素直に謝って体を縮こまらせた。
その横顔が恥ずかしそうに赤らんでいる。
あたしもその一人―――
おばちゃんがどれだけ家庭のこと考えて、どれだけおっちゃんや千里のことを愛しているのか
考えることもなく疑って―――
ごめんなさい
おばちゃん。
じーんと来ていると
「でもエステ行く必要ってあるのか??」
せっかくの感動のシーンだと言うのに、千里がおばちゃんを訝しむように目を吊り上げる。
「Evelyn’か?あそこは俺の傘下のサロンだ。俺が奥さんに優待券を贈った」
「何故に??」
あたしは目をぱちぱち。
「だぁってぇ♪もうすぐお父さんのお誕生日でしょ??
私、サプライズを企画してるの。お父さんのお誕生日に豪華なレストランに連れて行って、きれいな私と一日デート♪
そして仕上げはピカピカの靴をプレゼントして盛り上がっちゃったりして!♪」
キャー!!
おばちゃんは「それ以上は言えないわ」と続けて楽しそうに顔を覆う。
「“きれいになった私”だとぉ!?おかん、年甲斐にもなく若い女気取りしてんじゃねぇよ!!
おかげでこっちはいらん気苦労しただろ!」
千里が勢い込んで
「いいじゃない、サプライーズ」とおばちゃんは子供のように口を尖らせる。
「なぁにが!サプラーイズだ!」
「ま、まぁまぁ」
あたしは千里を宥めるのに必死。
その向かい側で叔父貴はふっと涼しく笑い
「面白い親子だな」
小さく呟いた。
うん
最高に
面白くていい親子だよな。