godlh
「はぁ。はぁ。」
「はぁぁ。」
空気がおいしかった。
「じゃ、それをそこのベランダに出しておけよ。」
僕は、本当にはじめのほうしかネットを見ていなかったらしい。
「えっ?」
「おいおい。本当に、秀郎はよく読まない奴だなぁ。」
惟は呆れていた。
「ミミズの汁で浸した銀のナイフは、その力を定着されるために一晩、月の光の下に置かないと駄目なんだよ。銀のナイフが破邪の力を、ミミズの汁は創世の力を、そして月の光が浄化の力を、このみっつの力が合わさる事ではじめて死神に対抗できる力を持つんだよ。」
「そうなの?」
「いいから。そんなミミズの汁だらけのナイフ、持って帰りたくないだろ。」
親指と人差し指でつまんでいるナイフを、惟は指さして言った。
「た、確かに。」
そっと、ベランダに銀のナイフを置いた。
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