クローバー+α
01
「拓海ー、ハイ、これ。
家に忘れてたよ。」


「お、ありがとな。
これ、大事な書類だったんだ。
助かった。」


「ならよかった。
間違えて家でやる書類だったらどうしよって思ってたから。」


拓海と話していたら、ドアをたたく音がした。

うわ、やばい。

ベッドに隠れなきゃ。


「失礼しま~す。」


入ってきた子をベッドの隙間から見た。

あ、この先輩、最近ずっと来てる先輩だ。


「拓海先生~、遊びに来たよぉ~。」


結構、いや、かなり拓海はモテる。

ま、確かに顔はイケメンだけど……性格は最悪だぞ。

……って、それ知ってるの私だけか。

ってか、この先輩、生活指導の先生たちに怒られてないのかな……。

校則違反がたくさんある。


「保健室は遊びに来るところじゃないよ。
それにもう、下校時間すぎているんだから、いい子はお家に帰らないといけないよ。」


「私、悪い子だもん。」


確かにその通りです。

自分で自覚あったんですね、この先輩。


「うーん、困ったな……。」


「あっ!!
先生、車で来ているんでしょ!!
なら、先生が私のこと家まで送ってくれれば問題ないじゃん!!」


うわー、この先輩、超必死だね。


「うーん、でもね、今日はいろいろ書類片づけなきゃいけないから……。」


「そっか……そうだよね……。
じゃ、また今度来たときには送ってね!!
じゃーね、拓海先生ー。」



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