クローバー+α
その先輩がいなくなった途端にすごく静かになった。

こんな顔だけイケメンの拓海を好きになる子の気持ちがわからん。

いや、顔がいいから好きになるのか……。

高1って、若いからなー。

ま、そうなるよね。

所詮、顔ってね。

あ、私は違いますからね!!


「相変わらず、モテモテですね。
拓海のモテ期何回あんのよ……。」


「さあ?
僕の場合、1回が長いんじゃないのかな?」


「その営業用の話し方、気持ち悪い。」


私と2人のときが多いから、余計に気持ち悪く感じる。


「えー、こっちの方が評判はいいんだぜ。」


「そんな評判、私は知りません。」


転勤してきた先生の挨拶のときに、拓海があの話し方をしているのを見て、『誰、この人』ってなったもん。


「ま、そんなことどうでもよくて、今日は何?」


何ってだけで、何聞かれているかわかってしまうのがすごく怖い。


「卵かけご飯。」


「は?」


「嘘、嘘。
そんなに怒んないで!!
炒飯と餃子と中華スープ。」


「今日は中華なんだな。」


「昨日は和食だったからね。」


私は拓海の家に居候しているので、ご飯は私の担当。

決して、怪しい関係ではない。

拓海と私はいとこだ。


「ってか、拓海ー。
今日、忙しいんなら先に帰らないとご飯作れないから……鍵。」


「いや、あれ、嘘だから。
あと、この書類書けば終わるから、コーヒー飲んで待ってろ。」


「はーい。」


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