【完】神様のうそ、食べた。
夜の別府駅はほとんど人は居らず、直ぐに部長を見つけられた。
終電一個前の電車で降りたらしい橘部長は、VUITTONのスーツケースをゴロゴロさせながら私の方へ向かってきた。
嗚呼。なんで二時間もかからずに着いてるの?
さっきの電話は、もう乗ってからかけてきたの?
何しに来たんだろう……。
そう不安げに見ていたのを見透かされたのか、近くに来たら鼻で笑われた。
「変ってないな。蓮川は」
「お、お久しぶりです。部長」
そう言うと、整った顔でにやりと笑った。
後ろにワックスで流したちょっと長めの髪。男のくせに小さい顔。
スッと引き締まった、冷たそうな顔が、今日はなんだかご機嫌だった。
そしていつも身だしなみにはうるさいくせに、アルマーニのスーツを着崩し、ネクタイを緩めている。
……無精髭もある。意外すぎる。
「ああ、営業じゃなくて企画室長やってたからさ。忙しいと身だしなみとか、どうでもよくなるんだよな。ってか、飯行くから付き合え」
「えぇ!?」