四季。彼と生きた青春
手に負えない嫉妬心。
打ち明ける場所のない悲しみ。
密やかな怒り。
閉じた視界で見るわたしだけの世界はすべてが禍々しく混沌としているのに、驚くほどにどこまでも無音だった。
そんな場所から彼にどんな祈りを捧げたところで、虚しくなるだけ。
吐き出す息すら嫉妬を孕む。
取り込んだ酸素でそれが薄まるなら願っても無いけど、そんなことはあり得ない。
心臓が収縮と膨張を繰り返せば繰り返しただけ、身体は悲しみを取り込み嫉妬は膨らむ。
そんな哀れな怒りを向ける矛先は、こんな夜に一人きりのわたしには、たったひとつしかなかい。
ローテーブルの上に置いた無地の便箋とペン先0.5mmのお気に入りのボールペンを前に、かたく目を閉じて訊ねる。
ねぇ、平良。
わたしが死んだら、悲しい?