四季。彼と生きた青春
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溜め込んだ睡眠導入剤と安定剤をシートから押し出す酷く地味な作業。
プラスチックを潰し、わたしを癒す白い錠剤が薄いアルミを貫く。
ガラステーブルの上に散らばって重なって、指が疲れて手元が狂う。
跳ねて転がっていった一粒は暗い部屋の白いカーペットのどこかに沈んで見えなくなった。
…わたしもそうなりたい。
彼に今度会ったときに渡そうと買っておいたウィスキーを箱から取り出し、感覚の鈍った右手で蓋をこじ開ける。
そのまま口を付けて一口飲んだ。
咽喉を焼くアルコール。
噴き出しそうになるのを堪えて湧いた唾液を飲み下すと、あまい香りが広がった。
もう後には引けない。
平良が見えなくなってしまうから。
舌の痺れを無視して掴めただけの薬をウィスキーを含んだ口に放り、首を反らして一気に仰いだ。
咽喉の奥に引っ掛かった粒が不快で、また酒を仰ぐ。
視界がにわかに揺れた。