・約束・2
着ているフリルブラウスのボタンに手がかかる。

「・・・今朝のコレって、何か効果あったの?」

雅也は胸元のキスマークを指さして聞いた。


「う・・・ん。おかげで辛いって思ったコトも耐えられたよ」


・・・ウソ。本当は全然ダメだった私・・・
唯一、村上君には効果あったけど、それは・・・絶対に言えない・・・


「・・・そう・・・」


着ていたTシャツを脱ぐと、目に飛び込んできたのは
雅也の身体中に咲く、赤い華・・・

朝、私がつけたものなのに一瞬ビックリした。
きっと村上君も、そうだったんだ・・・


「ん?」

「あ・・・いや・・・ごめんね雅也。
こんないっぱい・・・アザみたいにつけちゃって・・・」


「コレ? 気にしなくていいよ。
ダメな時はダメって言うからさ」


「・・・うん・・・」


「ごめんな。こんな事さえ、自由に出来なくて」


「ううん」


優しいキスは、私を一瞬にして幸せな気持ちにしてくれる・・・
雅也の魔法だ。

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