危険なアイツと結婚生活







「へぇ~。

唯ちゃんが碧の不倫相手だったんだ……」




リビングのソファーに腰を下ろし、麻衣子ちゃんがげらげらと笑った。

まるで品がない。

これが世間で有名な天使な女子とは思えない。

そして、蒼がいても躊躇することなんかなかった。





「不倫相手でじゃなくて……」




あたしが妻なの!!




そう言おうとしたが、ソファーに埋もれたまま、煙草を取り出す麻衣子ちゃん。

それを見て、




「禁煙だから」




露骨に蒼が顔をしかめた。





蒼は碧になりきっているわけではなさそうだ。

時々あたしを見て心配そうな顔をするし、あたしが笑うと笑ってくれたりする。

ただ……

何だか蒼は麻衣子ちゃんが好きではなさそうで。

ハラハラする反面、少しだけ安心した。

……あたしって心が狭い。




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