キミとひとつになれたら


家に帰って、玄関に靴があるのを見て、更に気が重くなった。




「おい…」


部屋に直行しようとしたら、リビングから兄が出てきた。



「テスト用紙は…?」


第一声が、コレ。
「お帰り」は無しか……。




「はい」


渋々テスト用紙を見せた。



それを見た瞬間、兄の眉間にシワが寄った。




「何だよ…、コレ。また下がってるじゃん」


ビリビリっと破かれて、投げつけられた。



「全く、本当にあんたはダメだな…。あんたが妹なんて恥だよ」


私の兄、河瀬雅夜(かわせまさや)大学生。



私は今現在、この兄と2人暮らし。



両親は……いない。
死んだから。
事故で……。



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