キミとひとつになれたら
「行こうっ!」
一瞬の隙をついて、上条さん達は走って出て行った。
「あー、逃げられちゃった。まぁ、いいか…」
クスッと笑った彼は、
「あの女には…後で制裁をしてやらなきゃ」
と、悪魔の笑みを浮べた。
本気なのか、冗談なのか。
とにかくゾッとした。
「行こうか。保健室」
「……」
手を引かれ、保健室へ。
私は四ノ宮くんを、少し怖いと感じながらも……。
「はい、氷」
「ありがとう」
「…ごめんね。僕のせいで……」
彼の優しさに、ちょっと触れただけで、“怖い”って気持ちは不思議となくなってしまう。
彼の温もりが、私の心を溶かしていく。
そんな気がした。