キミとひとつになれたら
キラっと、台所の明かりに反射して光ったのは、包丁。
その包丁には、赤黒い、独特な色の何かが付着していた。
トントントントン、と彼は一定のリズムで何かを切ってる。
彼に近づくと、ふっと、生臭い匂いが。
「うっ……」
嗅いだ事のない匂いに、咄嗟に鼻を押さえた。
その時、ギシっと床が微かに音を立てた。
だけど彼は、それを聞きのがさなかった……。
バッと、こちらを振り返った彼の目はしっかりと私を捉えた。
合う目と目。
止まったみたいに、張り詰めた空気。
「……どうしたの?小春ちゃん」
「っ……」
私の方を向いた彼の姿を見て、息が止まるかと思った。
彼は、白いエプロンをしてた。
手には手袋。
だけど、どちらも赤かった。
白いはずのそれは、真っ赤に染まっていた。
エプロンには、赤い飛沫がたくさん飛び散っていた。