キミとひとつになれたら




リビングに行くと、昨日の生臭い匂いがまだ残ってる気がした。



あれは気のせい…、と心の中で何度も言い聞かせた。


彼が、あんな事するはずない。




あんな残忍な事……。





「座って、小春ちゃん」



こんなに、優しい彼が……。






「アップルパイ、早起きして作っちゃった」


「あ…ありがと……あの、四ノ宮くん…」


「…どうした?」


「…き、昨日の…夜……」




あれは幻。
気のせいか、夢。



そう言い聞かせるも、何故か確認せずにはいられない。





「昨日の夜、台所で……何か、してたよね?」



あえて、人間を捌いてたの?とは言わなかった。




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