また、
そんな中酒がまわった勢いで俺は弘平を好きだと叫び、キスをしようとしたりとんでもない行動をとった。
あからさまに気持ち悪いと言う顔をして『近寄るな』と言った弘平を見て俺の酔いは一気にさめた。
後悔が残った。
次の日それを覚えていたのは弘平と俺だけだった。
あの目が忘れられずにぎくしゃくする。
二人の関係は一気に崩れ、それから1年ぐらいまともに口をきいていなかった。

俺は弘平を避けていた。
嫌われたと思ったし、何よりもう俺自身が弘平と話せなかった。
幸いクラスは違ったし、部活も違う。
そんな生活にやっと慣れた頃、俺がホモだと学校中に知れ渡った。
部活の先輩が流した噂だった。
ほんの些細な噂。
ふざけて「誰がいったんだよー!」とか「そんなわけないだろー!」とか適当なことを言っておけばよかったのに。
気にすることなんかなかったのに。
俺は狂った。
弘平に嫌われた。
軽蔑されている。
毎日毎日ひやひやして弘平を今までよりもあからさまに避けて部活も行かなくなって家にこもる。
周りが怖くなった。
怖い。
怖い怖い怖い。
何よりも弘平が怖かった。
あの冷たい目が忘れられない。
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