[中]余命24時間
最初に体の異変に気づいたのは、3日前のことだった。
『お母さん。なんか、腕に変な痣がある』
今思えば、それは最初のシグナルだったのかもしれない。
『どこかにぶつけたりしたんじゃない?』
いつものように夕飯作りに励み、美味しそうな匂いを漂わせていたお母さん。
あたしはリビングのソファに座りながら、その匂いで夕飯が何なのかを、呑気に考えていた。
その時はお母さんもあたしも、何の疑いもなく普通の時間を過ごしていた。
『えー…。ぶつけたりした記憶はないんだけどなぁ…』
『まあ、ただの痣だしすぐに治るんじゃない?』
その通りだと思った。
もしかしたら、気づかないうちにどこかにぶつけてしまっていたのかもしれない、と。
しかし次の日、あたしの腕では予想外なことが起きていた。
それを見たとき、思わずびっくりして、文字通り顔が真っ青になった。
『お母さん…!これ…!!』