[中]余命24時間


だから、決めた。



「…できた」



翔。


弱虫なあたしを、"どうか許して"。


…そんなこと、言わないから。

ただあたしが、君のことを思い続けるから。


あたしのことなんて忘れて構わない。

でも、あたしは君のことを忘れなくてもいいですか───…?




最後の言葉を綴った手紙を、机の上に置いて。


玄関で待つ翔のもとへ、一瞬でも早く追いつけるように。


あたしはいつも以上に早足で階段を下りた。









「さーて!どこ行きますか?」


いつにも増して上機嫌な翔の手のひらを、これでもかってくらいにきつく握る。


それに気づいてるはずなのに、彼はあたしに何も言わない。



わかっているからなのだろうか。


もう二度と、こんな時間が訪れることはないと。


お互いのぬくもりを確かめあうように、さらにきつく繋がれる手。


1秒1秒、時が過ぎてく度に、どんどん"最後"が増えていく。


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