[中]余命24時間
未来が、減っていく。
「ねぇ、翔」
駅へと向かう足を止めて、彼の顔を真っ直ぐに見る。
繋いだ手に、ありったけの「好き」を込めて。
「今から、ゲームセンター行きたい」
強い眼差しで翔を見ると、案の定彼は驚いた顔をしていた。
今いるこの場所は駅の外なのに、
『間もなく電車が到着します』というアナウンスがはっきりと聞こえてくる。
「…ゲーセン!?」
季節は、夏本番に入ろうとしていた。
日に日に増える、うるさいカエルの鳴き声。
少しずつ伸びていく日没。
だけど、そんなものも感じさせないくらいに、今日はカランと晴れている。
休日のせいか、駅に入っていく人が、平日よりも多い気がした。
「今から?
てか、デートなのにそんなところでいいの?」
ふと、思い出したの。
翔とは、もう2年の付き合いになる。
それなのに、あたしたちはこういう、中学生みたいなデートを、一度もしたことがなかった。